リスクを赤いマスへ置くだけでは、誰が何を確認すればよいかは決まりません。発生可能性と影響度の基準を先にそろえ、図の各項目を対策と担当へつなぐ。これが、会議で使えるリスクマトリクスにするための順番です。
この記事は業務やプロジェクトの不確実な条件を整理する資料の作り方を扱います。一般的な2軸図の選び方はマトリクス図、改善施策全体の構成は業務改善提案を参照してください。
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軸の意味と評価期間をそろえる
ここでは横軸を発生可能性、縦軸を発生した場合の影響度として整理します。たとえば「次の4週間の試行」を対象にするなら、過去一年の発生件数と次の一週間の見通しを同じ尺度へ混ぜないようにします。すでに起きている問題と、今後起こり得る問題も区別します。
IPAのリスク把握の説明でも、サイバー攻撃について予想頻度と影響の大きさを分析し、優先度を付けて対応する考え方が示されています。以下の業務例の3段階や判定条件は、この記事独自の整理案であり、IPAの基準そのものではありません。
使い分けたい3つの実図解
図中の数値と判断は架空の企業設定です。自分の案件では、評価根拠と更新日を用意してから置き換えます。
1.発生可能性と影響度で位置づける
AOBA-401は低・中・高の3段階に課題4件を配置し、右に対策と責任者を並べています。位置と対応を一緒に読める見本です。軸は実測した事故確率ではなく、架空の業務設定に基づく評価です。「高」を何%と読むかが決まっていない状態で、確率の数値へ変換してはいけません。

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この図解のZIPを無料で受け取る →2.自社で動かせる要因を分ける
AOBA-380は3つの案を中央に置き、外部環境と内部の実装負担を左右に分けています。発生可能性と影響度を示す図そのものではなく、評価の根拠を整理する補助図です。外部条件は監視や条件付き判断へ、内部条件は担当と改善作業へつなぐ使い方ができます。

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この図解のZIPを無料で受け取る →3.対策一覧へ落とす
AOBA-472は観察された課題から根拠、原因の含意、打ち手、担当を一行につなげています。マトリクスに置いた項目を、実行する作業へ渡すための見本です。原因が未確認なら「仮説」と記し、対策を書いただけで解消済みとしないようにします。

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この図解のZIPを無料で受け取る →記入例:予約受付の4週間試行を点検する
架空の「こもれび施設」が受付方法を変えるケースを考えます。対象は予約受付の運用で、人命や法令適合の判定をする例ではありません。図中の購買業務とは別の設定です。
発生可能性は「低=現時点で具体的な兆候なし」「中=発生につながる未確認条件あり」「高=同じ条件で繰り返し観察」と決めます。これは定性的な区分です。影響度は「低=担当内で修正可能」「中=他部署との再調整が必要」「高=試行全体の受付継続を判断する状態」とします。
| ID・対象 | 可能性/影響 | 根拠と未確認点 | 次の対応 |
|---|---|---|---|
| R1 二重登録 | 中/中 | 確認用番号の重複処理が未確認 | 情報担当が開始前に入力試験 |
| R2 確認担当の不在 | 中/高 | 代行者が未指定 | 施設責任者が代行を決める |
| R3 案内文の誤記 | 低/低 | 校正済み、変更時は再点検 | 受付担当が更新時に照合 |
この例ではR2の代行者を開始前に決め、R1の入力試験も並行して行います。点を右上から順に処理するだけでは、開始条件の違いが消えます。低頻度でも受け入れられない影響がある項目は、合計点とは別に判断条件を置きます。
対策前と対策後を同じ基準で比べる
対策一覧には、作業、担当、期限、完了の証拠、再評価日を加えます。R1なら「入力試験を実施」だけでなく「重複する申込みを検知し、担当者が訂正手順を説明できる」といった確認方法を決めます。実際の試験結果が出る前は、対策後の評価を目標または見込みとして区別します。
R2の代行者を指名しても、その人が運用を理解したかは別の確認です。名簿の更新と引継ぎの確認を終えてから評価し直します。矢印で位置が下がる絵を描くだけで、リスクが消えたと説明しないようにします。
評点の見かけに引っ張られない
低・中・高へ1・2・3を割り当てる場合、その数字は区分を整理するための記号です。根拠なく確率や金額と同じ意味で計算しません。採点を使うなら、区分の定義、集計方法、例外の扱いを資料の中で明示します。
同じマスに多数の点が重なる場合は、点を少しずらして座標の細かな差を演出するより、IDを並べた一覧へ渡します。分野の異なる影響を一つの数字にまとめるときも、時間、費用、品質のどれを基準にしたかが分かるようにします。
意見が割れた項目は平均して決着したことにせず、評価が分かれる条件を記録します。「代行者が確保できる場合は中、できない場合は高」のように、次の確認で判断が変わる形にすると会議後の行動につながります。
マトリクスの更新履歴には、位置を変えた日と理由を残します。担当者の印象だけで「高」から「低」へ移すと、前回の評価との違いを説明できません。証拠が増えた、前提が変わった、対策を確認した、という変更理由を区別し、元の評価もたどれるようにします。
低い評価の項目を一覧から消す場合も、終了条件を決めます。試行が続く間は監視するのか、対象業務がなくなったため終了するのかで扱いが変わるためです。
Claudeに渡す指示文
評価と対策をつなぐ見本ZIPを受け取るときは、軸の定義を省かず渡します。
予約受付の4週間試行について、リスク整理の原稿を作る。
横軸は発生可能性、縦軸は影響度。各3段階。
提供した定性的な基準を使用し、確率へ変換しない。
R1:二重登録、中/中、重複処理が未確認。
R2:確認担当の不在、中/高、代行者が未指定。
R3:案内文の誤記、低/低、変更時に再点検する。
各IDについて、根拠、対策、担当、期限、確認方法を表にする。
未提供の期限や試験結果は要確認にする。
対策後の見込みと、実際に再評価した結果を分ける。
更新時の確認
- 対象期間と軸の定義が全項目で共通か。
- 定性的な評価を実測した確率に見せていないか。
- すべての点から対策と担当をたどれるか。
- 対策の実施と効果の確認を分けたか。
- 残る条件と次の再評価日を記録したか。

テンプレートは、Claudeで再現するためのプロンプトZIPで提供します。完成したPowerPointファイルの配布ではありません。